「中国には中国のSNSがあるけど、世界的にはあまり関係ない」と思い込んでいませんか?
確かに、ほぼ中国大陸内だけで認知されているSNSがある一方で、中国で大流行した後、日本へとその余波がわたってくるSNSも、実は少なからずあります。
国民の多くがスマホのヘビーユーザーである中国で生まれるSNSは、今や時代の先駆的な存在になりつつあることを、世界規模で大きくなりたいと思う日系企業のWEB担当者様は、知っておくべきかもしれません。
以下、今や‟大流行”の作り手でもある、中国のSNSに関する定番情報・トレンド情報をまとめました。
圧倒的なユーザー数と拡散力を持つ「3種類の中国SNS」
1. Weibo
2. TikTok
3. WeChat
上記3種類のSNSは、商品・サービスのマーケティング、あるいは企業のブランディングを行うなら外せない、中国の超重要SNSです。
中国でのマーケティングおよびブランディングに、上記3種類の中国発祥SNSが欠かせないのは、「圧倒的なユーザー数の多さ」と「圧倒的な拡散力の強さ」が、それぞれにあるからです。
【1】Weiboは「中国版のTwitter」で、莫大なユーザー数を誇る
「Weibo」、あるいは「微博」「ウェイボ」は、中国版のTwitterのようなSNSです。
生活上ほぼ必須であるWeChatに次ぐ、莫大なユーザー数(※1)を持っています。
(※1 2018年度Weiboの月間アクティブユーザー数は約4.6億人。2018年度Twitterの月間アクティブユーザー数は約3.2億人。世界規模のTwitterに、中国発祥のWeiboがユーザー数では多くなっていることが分かります。)
Twitterと同様、中国の有名人の多くが、Weiboに公式アカウントを開設中。
広告を出稿できるほか、KOLマーケティングのメインフィールドでもあるため、重要度が高いです。
【2】TikTokは「動画革命」を起こしたSNSで、特に拡散力が強い
日本で「影響力が未知数のモンスターアプリ」と呼ばれることもあるTik Tokですが、実は中国から出てきたSNSなのです。
Tik Tokは海外ユーザー向けの名称で、中国では「抖音」「ドウイン」とも親しまれています。
今、中国のネットは「ショートムービー戦国時代」と呼ばれる状況で、多くの種類のショート動画SNSが、ユーザー獲得のためにしのぎを削っています。
その中でトップを走っているのが、やはりTik Tokだと言うことです。
近年の中国では、「キャッシュレス革命」と同じくして「動画革命」が起きています。
「あらゆる場所が混雑する」という、中国での暮らしの特色が影響して、YouTubeなど長尺の動画ではなく、‟ほんの少しの時間を楽しくつぶす”動画のほうが好まれるようになりました。
実際に中国の街を歩いてみると、本当に多くのネットユーザーがあちこちでTik Tokを見たり、配信したりしているのです。
商品やサービスの良さを具体的に魅せる動画が、多くの人に届くTik Tokを、企業がマーケティングに使わない手はないでしょう。
【3】WeChatは「中国版のLINE」で、商品の購入に直結
「WeChat」、あるいは「微信」「ウェイシン」は、中国版のLINEと言われるSNSで、中国のスマホユーザーなら、ほぼ確実に使っています。
というのは、WeChatがLINEよりも機能が“強化”されており、サービスの予約・代金の支払いなど、中国での日常生活に密接に関わっているからです。
SNSの中ではWeChatが最も、「ユーザーと商品・サービスの間の距離が短い」と言っても過言ではないでしょう。
口コミの拡散力では他のSNSに負けるのですが、最終的には購買に直結する「WeChat」を中国に向けてうまく運用しないと、ただ情報が‟バズる”だけで、売り上げアップには繋がりにくいと想定されます。
中国のトレンドSNS「全民K歌」や「钉钉」を紹介
中国SNSの王道、Weibo・Tik Tok・WeChatなどと比べると影響力は弱いものの、最近の中国でトレンドになっているSNSをいくつかご紹介します。
1. 「全民K歌」⇒ 中国版のカラオケ系SNS。
配信好きのユーザーに支持されている。
2. 「陌陌(Momo)」⇒ 友人だけでなく知らない人ともやり取り可能なSNS。
‟つながりたい”系ユーザーからの支持が厚い。
3. 「钉钉(Ding Ding)」⇒ 中国版向けSlackとも呼ばれるビジネス系SNS。
無線の出退勤など機能がとにかく凄い。アリババ提供。
4. 「淘车位」⇒ いつでも車の駐車スペースを予約できるSNS。
人も車も多い中国では、駐車場探しに困っていた。
カラオケ配信やチャットなど、娯楽系のSNSも人気ですが、中国ではさらに仕事の効率を劇的にアップするSNS、あるいは生活の不便をなくせるSNSが、日々進化・普及していることに注目したいです。
WeChatなどがどんどん便利になり、中国がキャッシュレス社会にいたったのも、こうした生活必需SNSの貢献があってこそでしょう。
(ちなみに、キャッシュレスが浸透した中国の小売店では、「現金で支払われても釣銭が無い!」と言われることがあるそうです。)
中国の「SNS=生活必需品」という考え方は、これからの日本での生活にも、どんどん影響していくのかもしれません。
日本の道を走るタクシーの窓に、何種類もの「~~Pay」と書かれたステッカーが貼られていることが、その未来を少し予期させます。
まとめ
以上、中国の定番SNS情報・トレンドSNS情報について、まとめました。
中国はネット規制が厳しいため、SNSについてもどこか‟閉鎖的な印象”を持たれているWEB担当者様が、もしかするといらっしゃるかもしれません。
しかし実際はそうではなく、「Tik Tok」に代表されるように、中国発のSNSが国際的なブームになる事例も増えてきているのです。
「中国で今どんなSNSがウケているのか?」を研究することは、中国国内でのマーケティングに役立つことはもちろん、それを日本国内でのマーケティングに反映することもできそうです。
⇒ 当社『HLカンパニー』は上海で日系企業のWEBサポートを行っています。