中国(大陸内)では情報規制のため、世界的検索エンジン「Google」を使用することはできません。

その代わりに、中国において最大のシェアを誇る検索エンジンが「百度(バイドゥ)」です。

この百度については中国国外、つまり日本からでもアクセス可能なことをご存じでしょうか?

百度とGoogleの”共通点”、あるいは”相違点”について、事こまかに説明することは可能ですが、中国における検索のイメージをよりリアルに掴むなら、実際に百度を使ってみると良いかもしれません。

今回は、中国で暮らす人々も日常的に使っている、百度検索で最短で欲しい情報にたどり着くためのテクニックを、いくつかご紹介します。

百度の検索では「高级搜索」を使いこなすことが基本


百度の検索では、「高级搜索」をうまく使うことが基本です。(上の画像、赤枠で囲っている部分です。)

高级搜索とは、いわゆる詳細検索のことを指します。

ある“特定の時期”やある“特定のサイト内”“特定のファイル”など、様々な条件を付けて、キーワードを検索することができるのです。

< 高级搜索で絞り込み可能な条件の一覧 >※上記画像内の番号と一致

1. 以下のキーワードをすべて含むWEBサイトを検索結果に表示
2. 以下のキーワードと完全一致するWEBサイトを検索結果に表示
3. 以下のキーワードのいずれかを含むWEBサイトを検索結果に表示
4. 以下のキーワードを含むWEBサイトを検索結果から除外
5. 公開時期で検索結果を絞り込む (最近1年・1ヶ月・1週間・1日)
6. ファイル形式で検索結果を絞り込む (PDF・Wordなど)
7. キーワードの位置で検索結果を絞り込む (タイトルのみ・URLのみなど)
8. 特定のサイト内のみを検索対象とする

特に、「除外キーワード」や「公開時期」の指定による検索結果の絞り込みは、百度検索の効率化において、大きな役目を果たします。

百度検索の効率化がなぜ必要なのかについては、後に項を改めて説明します。

上の画像は、「SEO」というキーワードでPDFファイルに絞り込みをかけた、検索結果です。

このように、高级搜索をうまく使えば検索結果のページが綺麗に整理され、探している情報が見つかりやすくなります。

百度の検索窓では、キーワードに記号を付けてみよう

先述した高级搜索と同じように、検索結果を絞り込むためには、もう1つの方法があります。

検索窓に、目的に応じた様々な記号を直接打ち込む方法です。

「どんな時に、どんな記号をつけるのか?」を丸きり覚えてしまえば、高级搜索で詳細検索をするよりも早く、求めている情報へたどり着くことができるでしょう。

以下では、特に便利な「除外」と「一致(特定)」に関連する記号を紹介します。

あるキーワードを除外して検索する「⁻(マイナス)」付け

-(キーワード1): 除外したいキーワードが1つの場合
-(キーワード1|キーワード2): 除外したいキーワードが2つの場合

あるキーワードを( )で囲み、その前に「⁻(マイナス)」記号を付けると、そのキーワードを除外した検索結果が表示されます。

除外したいキーワードが複数個ある場合は、キーワードとキーワードの間に「 | (バーティカルバー)」を入れて、区切ってください。

あるキーワードを完全一致で検索する「“”(ダブルクォート)」付け

“キーワード1 キーワード2”

複数のキーワードの間にスペースを空け、「“”(ダブルクォート)」で囲むと、そのキーワード群の完全一致検索ができます。

キーワード1とキーワード2の位置が逆になっているページは、この完全一致検索では表示されません。

通常の検索よりも、フォーカス度がずっと高い検索方法だと言えます。

百度において”検索の工夫”が必要な理由は?


ここまでいくつかピックアップした、検索結果をスムーズに導き出すためのテクニックは、Googleにも多数存在します。

ただ、それらを日常的に使用することは、少ないはずです。

日本のGoogle検索ユーザーの場合、検索した後で「画像」や「ニュース」などのカテゴリーを選択して、情報をさらに絞り込むことのほうが、多いのではないでしょうか?

ただ、そもそも”絞り込み”や”除外”をしなくても、検索結果の1ページ目で欲しい情報にたどり着くケースが多いですし、多少文字を間違えて検索しても、「もしかして…?」と推測してくれて、何とか正しい情報にたどり着ける柔軟性が、Googleにはあります。

ではなぜ、百度検索においては、ユーザー(自分)による検索の工夫が必要なのでしょう?

それは、検索結果として表示される情報がきわめて多いからです。

発信者(人口)が多いことに比例して、百度のアルゴリズムが認識する情報量も多くなることは想像に難くありません。

莫大な情報の中から、百度は「関係ある…かも?」という情報をあちこちから集めて表示します。

その中には信頼性の低い情報や古い情報、関係していそうで関係していない情報などが紛れているため、日本でGoogle検索をする時のように、簡単な検索や曖昧(あいまい)な検索では、求めている情報にすぐたどり着くことは難しいのです。

一方で中国のネットユーザーは、欲しい情報へたどり着くまでの速度を、他の国のネットユーザー、少なくとも日本のネットユーザーよりは重視する傾向があります。

そういった背景から、”多くの情報に惑わされることなく、欲しい情報にたどり着く”ために、中国のネットユーザーは検索のコツを把握しているのでしょう。

この事実は、中国ユーザー向けのSEO対策を行い、中国版WEBサイトを上位表示させるために、ぜひとも覚えておきたいポイントです。

まとめ

以上、百度検索の上手な使い方に関する情報をまとめました。

「中国で暮らす人々が、溢れかえる情報の中で、どうやって自分の求めている情報に素早くたどり着いているのか?」を推し量るための、1つの参考にしてもらえたらと思います。

「中国語で何が書いてあるのか少しも分からない…」けれど、百度の使用イメージを掴んでみたい方は、上の画像・赤枠で囲っている部分をクリックしてみましょう。

どのように情報がカテゴライズされているのか、どういう情報が優先的に求められているのか、何となく雰囲気を掴むことができます。

日系企業の中国進出にあたり、日本のWEB担当者が百度の検索の使い方を、熟知している必要は、もちろんありません。

ただ、「中国の検索ユーザーは、こんな風に百度を使いこなしているのだな」という、情報到達までのフローを理解しておくと、WEB戦略には必ず役立つはずです。

百度検索の使い方を熟知した当社『HLカンパニー』は、中国進出する日系企業様のサポートを行っております。