中国には、『バイドゥ(百度)』と呼ばれる独自の検索エンジンがあります。

中国ユーザーに向けた、成果の高いホームページ(WEBサイト)を制作する場合には、この『バイドゥ』という検索エンジンの特徴、ひいては日本のメイン検索エンジン『グーグル』との違いを、うまく見出さなくてはいけません。

今回は、中国のメイン検索エンジン『バイドゥ』に関する、基本的な情報をまとめていきたいと思います。

中国の検索エンジン『バイドゥ』は『グーグル』の代わり?


日本では、中国の検索エンジン『バイドゥ』について、“グーグルの代わりに利用されているもの”という認識が強いようです。

中国のほとんどのユーザーが『バイドゥ』を利用している現状を考えると、上記のように捉えても問題はないでしょう。

現在、『バイドゥ』が中国のメイン検索エンジンとして存在しているのは、中国国内で『グーグル』を使うことができないという背景が大きくあります。

ただ、『グーグル』が中国から撤退する前からも、『バイドゥ』は『バイドゥ』で支持されてきました。

それは、『バイドゥ』が『グーグル』をトレースした検索エンジンではなく、中国ユーザーがより使いやすいように考えられた検索エンジンだからです。

ちなみに当社には、『バイドゥ』も『グーグル』もよく知るスタッフが在籍しています。

最初『グーグル』に馴染んでいたスタッフが『バイドゥ』を扱いだした時、その逆に『バイドゥ』に馴染んでいたスタッフが『グーグル』を扱いだした時は、どちらからも「とても使いづらい!」という意見が出ました。

現在では『グーグル』の代わりのように使われていて、『グーグル』と似ているけど同じではないもの、それが中国独自の検索エンジン『バイドゥ』なのです。

中国の検索エンジン『バイドゥ』の特徴

  1. 1. 検索結果の“種類”が圧倒的に多い
  2. 2. サービスにどれだけ早く繋がるかを重視している

中国の検索エンジン『バイドゥ』の特徴は、大きく分けて2つあります。

2つとも、中国ユーザーが“検索結果に何を求めているのか”という傾向を踏まえた変化の結果です。

以下でそれぞれの特徴を分かりやすく、説明していきましょう。

【1】検索結果の“種類”が圧倒的に多い

『バイドゥ』で何かを検索すると、そのキーワードに対して、様々な切り口からそのキーワードを捉えた様々な種類の結果が、一覧として表示されます。

これは『グーグル』の検索結果でも、見られることです。
例えば、『グーグル』で「○○(食べ物や飲み物) 効果」と調べるとしましょう。

上記の場合、○○の中に入る単語によっては、「○○は体にとっていい」というページと、「○○は体にとってよくない」というページの両方が、あるいはさらに別の意見をとなえるページが、検索1ページ目に表示されることがあります。

「結局どっちなのか!?」と混乱することもあるかもしれませんが、これは“本来複数回答がある答え”や、“まだ研究されている段階の答え”を、検索エンジンの結果が勝手に確定するのを防ぐために、意図的に行われていることです。

『バイドゥ』は、上記のように検索結果を多岐化する意図が、『グーグル』よりもさらに強い傾向があります。

以下では、『バイドゥ』が表示する検索結果の特徴について、もう少し詳しく説明しました。

―― 圧倒的に多い情報を『バイドゥ』ユーザーはどう扱っているか

『バイドゥ』は質よりも鮮度の高い情報が優先される傾向があり、いちユーザーの発した真新しいコンテンツ(Q&Aの回答など)も、検索キーワードに関連すると判断されれば、上位検索結果に食い込んできます。

“質のいいサイトページからも、実は質の悪いサイトページからも、とにかくたくさんの種類の情報を持ってくる”、これが『バイドゥ』の検索結果に見られる特徴の1つです。

『バイドゥ』ユーザーは、1つのキーワードに対して、数多くの種類の情報が「バン!」と一気に表示された状態から、自分が本当に欲しい情報を見つけるために、除外検索(キーワードの後ろに「⁻○○(除外するキーワード)」を付ける)をうまく活用しています。

除外検索機能は『グーグル』にもありますが、中国の検索エンジン『バイドゥ』については、よりその機能の重要度が高く、もしも『バイドゥ』を通じて情報を発信するつもりならば、「情報を見つけてもらえるチャンスも多いが、省かれるケースも多い」と認識しておくといいでしょう。

【2】サービスにどれだけ早く繋がるかを重視している

『バイドゥ』を使うユーザー、すなわち中国ユーザーは、「時間のかかることや手間のかかることを、どれだけ効率よくできるか?」を重視する傾向があり、検索という行動についてもそれを求めています。

例えば「映画」について調べているユーザーには、以下のような情報が役立ちます。

  1. ⚫︎ どこに映画館があるのか?
  2. ⚫︎ その映画館で何の映画が上映されているのか?
  3. ⚫︎ 何日・何時に気になる映画が上映されるのか?
  4. ⚫︎ 空席はあるか?

『グーグル』の場合、検索結果として表示されるのは、大体ここまでです。

中国の検索『バイドゥ』は、さらに先があります。

『バイドゥ』は、まどろっこしいことを嫌う中国ユーザーにとって、「検索する」行為のゴールが、「情報を掴む」ことではなく、「購入する(サービスを利用する)」ことにあると考え、そこまでの道筋をできるだけ短縮することを、目指したのです。

――『バイドゥ』で検索して、サービスを得るまでの道筋

  1. 1. 映画館の情報を得る
  2. 2. 映画館のサイトに飛ぶ
  3. 3. そこからWEB予約をする

上記の流れが『グーグル』では一般的です。

しかし『バイドゥ』の場合は、検索結果から直接、WeChat(日本のLINEにあたるツール)などで簡単決済することが当たり前になっています。

「映画館のサイトに飛んで、そこからWEB予約・決済をする」という流れが、『バイドゥ』では省かれるのです。

“何でもスピーディに行いたい”という意思が比較的強い中国ユーザーにとって、検索結果がサービスに直結する『バイドゥ』は、『グーグル』よりも便利だと感じるのでしょう。

まとめ

  1. ⚫︎ 『バイドゥ』は中国ユーザーの好みに合うよう発展した検索エンジン
  2. ⚫︎ 『グーグル』の撤退後、『バイドゥ』はメイン検索エンジンとしての役割を持つ
  3. ⚫︎ 『バイドゥ』の検索結果は『グーグル』よりも多岐
  4. ⚫︎ 『バイドゥ』の検索結果はサービスに直接繋がっている

以上、中国の検索エンジン『バイドゥ』について、大きな特徴をいくつかまとめてみました。

『グーグル』に劣らない基本的な機能を有しつつ、中国の国民性にも寄り添った検索エンジンが『バイドゥ』で、成果の出る中国版ホームページを制作するなら、『バイドゥ』ならではの特徴を知っているか否かで、競合他社との差が生まれるだろうと考えます。

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