中国のネット環境の南北問題って何?

中国では、国内から国内サイトへのアクセス速度が非常に遅かったり、接続が切れてしまったりする不安定な現象が起きます。 また、日本と中国間を結ぶ国際ネットワークのバックボーンはさらに細く、一般回線からのアクセス障害も多発しています。 この日中間の通信トラブルの他にも、中国独特の南北問題もあります。

南北問題とは?

「南北問題」とは、中国が2002年に「固定通信事業の再編政策」により北部地域を「中国聯通」に、南部地域を「中国電信」へと再編したことに起因します。

中国には、北にチャイナ·ネットコム(中国網通)と南にチャイナ·テレコム(中国電信)の2大通信キャリアがあり、2大キャリアはそれぞれの地域に於いて圧倒的な市場を占めています。 チャイナ·ネットコムのサービスエリアは北京市や天津市など、中国の北部地域を中心としており、一方のチャイナ·テレコムは、上海市や香港など比較的南に位置する地域を中心としています。 が、実はこの二つの業者、大変に仲が悪い!その結果、南部の上海から北部の北京にアクセスをしようとすると、スピードが激落ちです。2つの通信キャリア間の通信は極めて遅くなります。

現在、中国での主流なインターネット接続方式はADSLで、最高通信速度は公表8M/秒ほどですが、実際の体感通信速度はもっと遅くなります。 具体的には、webサイトへのアクセス速度やリスティング出稿に至るまで、影響が及びます。

解決方法

アクセス速度が遅い南北問題を解決するには、通常の企業サイトならば、両キャリアの回線を引き込んでいる「キャリア·フリー」と呼ばれる中国のデータセンターでホスティングするという方法があり、両回線からのアクセス速度を極端に減衰させることなく保つことができます。

また、資料や動画などで営業サポートしているサイトは、それぞれの通信キャリアにミラーサーバーを作り、ユーザーが選べるようにするという方法もあります。 さらに予算があるのであれば、北京·上海·広州などの重要拠点にダウンロード専用のサーバーを開設すれば、より効果の高い対策が可能となります。